かぎ針編みの水通し・ブロッキング|洗濯表示を確認して形を整える方法
編み終えた作品の端が少し波打つ、モチーフの大きさをそろえたい、ゲージを最終確認したい。そんなときに使われる仕上げが水通し・ブロッキングです。ただし、すべての作品を同じように水へ浸せばよいわけではありません。最初にレシピと毛糸ラベルの取扱表示を確認し、編み地と付属品に合う方法だけを選びます。
執筆・確認: amilog編集部公開日: 最終更新:

まず答え
ブロッキングは、完成した編み地を適切な方法で湿らせ、目標の形や寸法へ整えて乾かす仕上げです。まずレシピと毛糸ラベルの洗濯・乾燥・アイロン表示を確認してください。水で扱える平らな編み地をwet blockingする場合は、編み地全体を支えて取り出し、絞らず乾いたタオルで水気を取り、無理に引っ張らず形を整えて完全に平干しします。表示が不明な作品、熱や水に弱い付属品付き作品、素材への影響を確認できない作品は、自己判断で浸したりsteamを当てたりしません。

この記事で分かること
- レシピと毛糸ラベルの取扱表示を見て、水・乾燥・熱を使えるか先に確認する
- wet blockingでは編み地を絞らず、乾いたタオルで押さえて水気を取る
- 編み地全体を支え、目標寸法を超えて引っ張らず、形を整えて完全に平干しする
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ブロッキングは、表示を確認して方法を選ぶ仕上げ
| 方法 | 行うこと | 先に確認すること |
|---|---|---|
| wet blocking | 表示に従って洗う・水を含ませ、形を整えて乾かす | 水洗いと乾燥方法が許可されているか |
| spray blocking | 平らに置いた編み地へ水を霧状にかけて整える | 表面を湿らせて問題ないか |
| steam blocking | 蒸気と熱を使って整える | レシピや糸メーカーが熱の使用を認めているか |
| 実施しない | 乾いた状態のまま仕上げ・組み立てへ進む | 水・熱・付属品への影響を確認できない場合 |
Craft Yarn Councilは、糸によってwet blockingやsteamingなど必要な方法が異なるため、メーカーの毛糸ラベルに従うよう案内しています。Lion Brandも、方法は使用糸によって変わり、ラベルの取扱表示を優先すると説明しています。
日本語では完成編み地を水へ通す作業を広く「水通し」と呼ぶことがありますが、汚れを落とす通常の洗濯と、形や寸法を整えるブロッキングは目的が同じではありません。この記事では、完成編み地の仕上げとして方法を選ぶ手順を扱います。
最初にレシピと毛糸ラベルを確認する
レシピの仕上げ指示を探す
Finishing、Blocking、仕上げ、水通しなどの章を確認します。完成寸法やピン留め位置が指定されていれば、その作品固有の指示を優先します。
使った毛糸すべてのラベルを見る
洗濯、乾燥、アイロン、漂白、専門店でのケアを示す記号を確認します。複数の糸や付属品を使った作品で、すべてに共通して許可される方法が確認できない場合は実施せず、メーカーへ確認します。
付属品と構造を確認する
金具、ビーズ、ボタン、接着部分、ゴム、詰め物が付いている場合は、編み地だけと同じ扱いができるとは限りません。可能なら組み立て前の編み地で仕上げる順番を検討します。
同じ糸の試し編みで確認する
色、風合い、寸法がどう変わるか不明なら、作品本体ではなく小さな試し編みで同じ方法を試します。乾いた後まで観察してから本体へ進みます。
乾く前の置き場所を用意する
編み地全体を平らに置ける清潔な場所と、乾いたタオルを先に準備します。濡れた作品を持ったまま移動場所を探さないようにします。
wet blockingの基本を7段階で進める
乾いた状態を記録する
必要なら縦・横の寸法と形を記録し、完成見本やレシピの目標寸法を確認します。変化を比べる基準になります。
表示で許可された条件の水を用意する
水温や洗い方を自己判断で固定せず、毛糸ラベルとレシピに従います。洗剤の指定がなければ、ブロッキングのためだけに一律で加えません。
編み地へ均一に水を含ませる
Cloverのコースター例では、水へ浮かべて自然に沈むのを待ち、沈まないときだけ上から軽く押さえています。こすったり強く揉んだりせず、方法を作品へ合わせます。
編み地全体を支えて取り出す
濡れた編み地は重くなり、端だけを持つと伸びることがあります。両手や容器で全体を支え、吊り下げた状態を長く作りません。
乾いたタオルで水気を取る
タオルで挟む、または巻いて上からやさしく押さえます。Cloverは絞らないよう注意し、Lion Brandもタオルを巻いて押し、水分を取る方法を案内しています。
平らな場所で形を整える
編み目を一方向だけへ引かず、全体を少しずつ動かします。目標寸法、角、辺、左右の対応を確認し、必要な場合だけ適切な道具で固定します。
完全に乾くまで平らに置く
Cloverの例は形を整えて陰干し・平干し、Craft Yarn Councilは編み地全体を支えて平面で十分に乾かす方法を示しています。時間を一律に決めず、中心や重なりまで乾いたことを確認します。
水気を取るときは、絞らず編み地全体を支える
ねじって絞らない
編み目が一方向へ引かれ、角や辺だけが伸びる原因になります。乾いたタオルで上下から押し、水分をタオルへ移します。
端だけを持ち上げない
濡れた作品は自重で伸びやすいため、手のひらや容器で全体を支えます。特に大きな作品は、移動経路と乾燥場所を先に確保します。
タオルを交換して調整する
一枚で水分を取り切れない場合は、乾いたタオルへ替えて押さえます。強い力で一度に水を抜こうとしません。
形は目標寸法まで整え、目数ミスを引っ張って隠さない
| 状態 | ブロッキングでできること | 別に確認すること |
|---|---|---|
| 軽いゆがみ・編み目のばらつき | 全体を均等に整え、乾燥中の形をそろえる | 取扱表示と目標寸法 |
| モチーフの大きさが少し違う | 許容範囲で同じ寸法を目安に整える | 目数・段数・使用糸・ゲージ |
| 端が斜め・目数が増減した | 原因そのものは直せない | 両端の目と完成目数 |
| ゲージが大きく外れている | 指定寸法へ無理に固定しない | 針・糸・編み直しの判断 |
| 円が大きく波打つ・反る | 一時的に押さえるだけで済ませない | 増し目数と編む強さ |
ブロッキングは、完成した編み地を整える仕上げです。足りない目を増やしたり、余分な目を消したり、違うゲージで編んだ作品を自由な寸法へ変えたりする工程ではありません。
角や辺を整えるときは、まず目標寸法へ近づけ、左右や複数モチーフを比べます。一点だけを強く引くより、周囲を少しずつ動かして形をそろえます。
sprayとsteamは、wet blockingの代用品として自動選択しない
| 方法 | 公式資料にある例 | 初心者の判断 |
|---|---|---|
| spray | 平らに置き、常温の水を霧状にかけ、形を整えて乾かす | 水で湿らせてよい表示と試し編みを確認 |
| steam | 蒸気と熱で整え、平らに乾かす方法がある | 糸メーカー・レシピが認める場合だけ。自己判断で直接熱を当てない |
| wet | 表示に従って洗う・湿らせ、タオルで水分を取り、平らに整える | 浸水・洗濯・乾燥表示を確認 |
金具付き作品は、編み地を整えてから組み立てる順番を検討する
amilogのミニハートチャームは、3つのハートを編んだあと、丸カン・ビーズ・キーホルダー金具を組み立てる構成です。このレシピ自体はブロッキングを必須としていませんが、使用糸の表示を確認して編み地を整えたい場合は、金具を付ける前のハートだけで方法を検討できます。
実施するなら、同じ糸の試し編みで変化を確認し、編み地を完全に乾かしてから組み立てます。すでに金具や接着パーツが付いた作品は、編み地だけの方法をそのまま適用しません。
よくある失敗と、その場で止める判断
| 失敗 | 起こりやすいこと | 次の判断 |
|---|---|---|
| ラベルを見ずに浸す | 縮み・色・風合い・付属品への影響を確認できない | 本体ではなく試し編みとメーカー情報を確認 |
| ねじって絞る | 編み目や辺が一方向へ伸びる | タオルで挟んで押さえる |
| 濡れた作品を端で持つ | 自重で部分的に伸びる | 全体を支えて平面へ移す |
| 目標寸法を超えて引く | 乾燥後の形やゲージが不安定になる | レシピ寸法・実測値へ戻す |
| 乾く前に外す・組み立てる | 形が戻る、湿気が残る | 中心まで完全に乾かす |
| 指定距離・当て布・温度を守らず熱源を当てる | 熱で風合いや形が変わる可能性 | 許可された方法が確認できなければ中止 |
実施前後のチェックリスト
- レシピに仕上げ・Blockingの指定がないか確認した
- 使ったすべての毛糸ラベルで洗濯・乾燥・アイロン表示を確認した
- 金具・ビーズ・ゴム・詰め物など付属品への影響を確認した
- 不明な変化は同じ糸の試し編みで先に確認した
- 必要な完成寸法と乾いた状態の寸法を記録した
- 乾いた清潔なタオルと平らな乾燥場所を用意した
- 濡れた編み地を絞らず、全体を支えて移動した
- 一点だけを強く引かず、目標寸法へ全体を整えた
- 表示で確認できないsteam・機械操作を追加していない
- 中心や重なりまで完全に乾いてから固定を外し、組み立てた
形が戻るときは、仕上げ以外の原因も確認する
端が斜めになる
両端の目を拾えているか、立ち上がりを数えるかを確認します。「かぎ針編みの端が斜めになる原因」で切り分けます。
円が波打つ・反る
増し目数と編む強さを確認します。ブロッキングだけで固定せず、「円が波打つ・反る原因」で編み地の状態を見ます。
仕上げ後のゲージが違う
同じ条件で整え、完全に乾かしてから中央を測ります。「ゲージの測り方」で次の針・糸・編み直しを判断します。
糸端をいつ切るか迷う
糸端を十分に通し、編み地を軽く伸ばして確認してから切ります。「糸始末のやり方」を先に確認します。
まとめ:表示・タオル・平干しの順で安全に仕上げる
水通し・ブロッキングで最初にすることは、作品を水へ入れることではなく、レシピと毛糸ラベルの取扱表示を読むことです。適した方法を確認できたら、編み地全体を支え、絞らずタオルで水気を取り、目標寸法へ形を整えて完全に平干しします。
軽いゆがみを整える仕上げと、目数・段数・ゲージの誤りを直す作業は分けて考えます。初めてなら小さな試し編みで方法を確認し、乾燥後の変化まで見てから作品本体へ進みましょう。
よくある質問
- かぎ針編みの作品は、完成したら必ず水通ししますか?
- 必須ではありません。レシピの仕上げ指定、毛糸ラベルの取扱表示、作品の形、金具や詰め物などの付属品を確認して決めます。水や熱への影響を確認できない場合は、一律に浸したりsteamを当てたりしません。
- 水通しには何度の水を使い、何分浸しますか?
- 全作品共通の温度・時間は決められません。使った毛糸ラベルとレシピの指示を優先します。表示が不明なら、作品本体で試さず、同じ糸の試し編みか糸メーカーへの確認から始めます。
- 洗剤や柔軟剤は必要ですか?
- ブロッキングだから必ず必要というものではありません。Cloverのコースター例は水で行っています。通常の洗濯を兼ねる場合も、毛糸ラベルと製品の指示にない洗剤・柔軟剤・量を一律に追加しないでください。
- 水気を早く取るため、手で絞ってもよいですか?
- ねじって絞りません。乾いたタオルで編み地を挟む、または巻き、上からやさしく押して水分をタオルへ移します。取り出すときも端だけを持たず、編み地全体を支えます。
- ドライヤーやアイロンのsteamで早く乾かせますか?
- 乾燥を早める目的で自己判断の熱を加えません。steam blockingは糸と作品に合う場合の別方式です。レシピや糸メーカーの明確な許可と方法がなければ使わず、表示に従って完全に乾かします。
- ブロッキングで目数ミスや合わないゲージも直せますか?
- 直せません。軽いゆがみや編み目を整える助けにはなりますが、足りない目・余分な目・大きく外れたゲージを解消する工程ではありません。完成目数とゲージを確認し、必要なら該当箇所まで戻るか編み直します。
- 平干しはどのくらい続けますか?
- 時間を一律に決めず、中心や重なった部分まで完全に乾くまで続けます。乾燥途中で吊るすと自重で伸びる場合があるため、毛糸ラベルが示す乾燥方法を守り、基本は編み地全体を支えた平らな状態で確認します。
- 金具やビーズを付けた後でも水通しできますか?
- 編み地と同じ扱いができるとは限りません。付属品の耐水・耐熱条件が不明なら一律に浸しません。作品の組み立て順を確認し、可能であれば毛糸ラベルに合う方法で編み地を整え、完全に乾かしてから金具やビーズを付けます。
参考にした基礎資料
- Clover「ブロッキングの方法」 — 水を含ませ、乾いたタオルで挟み、絞らず水気を取り、形を整えて陰干し・平干しするコースター例を確認。
- Craft Yarn Council「Care Symbols」 — 毛糸ラベルの洗濯・漂白・乾燥・アイロン・専門ケアの5分類と、禁止記号・温度表示を確認。
- Craft Yarn Council「Crochet 911: Finishing & Blocking」 — 毛糸ラベルの指示を優先し、wet blockingでは水分を取り、編み地全体を支えて平らに十分乾かす手順を確認。
- Lion Brand Yarn「What is blocking, and how do I do it?」 — 使用糸に応じたwet・spray・steamの方法、ラベル優先、タオルでの水分除去、熱に敏感な糸への注意を確認。
- amilog「ミニハートチャーム」 — 3つの編み地を作った後に丸カン・ビーズ・キーホルダー金具を組み立てる公開手順を、付属品を付ける前に仕上げを検討する例として確認。





