かぎ針編みで毛糸が割れる原因は?針の入れ方と割れた目の直し方
針を入れた瞬間に毛糸の撚りの間へ針先が入り、糸が1本だけ引っかかる。かぎ針編みを始めたばかりの頃に多いつまずきです。糸が割れるのは手先が不器用だからではなく、針先の向き、針を入れる深さ、糸の張り具合、糸そのものの構造が重なって起きます。原因を3つに分けて、今日から変えられる順に見ていきましょう。
執筆・確認: amilog編集部公開日: 最終更新:

まず答え
毛糸が割れるのは、針先が編み目の中ではなく、糸を構成する撚り糸(ply)の間に入ってしまう状態です。よくある原因は、針先の向きと角度が合っていない、針を深く入れすぎている、糸のテンションが安定していないの3つです。まず針先を下向きにして編み目の頭の中心へ軽く入れ、糸をかけたら斜めに引かず、まっすぐ引き抜きます。それでも続くなら、針を1号大きくする、針先が丸い針に替える、撚りのしっかりした糸を選ぶといった道具側の対策を試します。割れたまま編み進めず、気づいた時点でその目まで戻して編み直してください。

この記事で分かること
- 針先は編み目の頭の中心へ「軽く・浅く・まっすぐ」入れ、引き抜くときも斜めに引かない
- 手の動きで直らないときは、針の号数・針先の形・糸の撚りの3つを見直す
- 割れた目は放置せず、気づいた時点でその目までほどいて編み直す
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糸が割れるとは、針先が撚りの間に入ること
多くの毛糸は、細い糸を何本か撚り合わせて1本にしています。この撚り合わせた1本ずつを ply(プライ)と呼びます。針先が編み目の中へ入らず、ply と ply の間へ入ってしまうと、一部の糸だけが針に引っかかります。これが「糸が割れる」状態です。
割れた糸をそのまま引き抜くと、編み目の一部だけが引きつれたり、表面に細い糸の輪が飛び出したりします。見た目の問題だけでなく、その目を次の段で拾うときに再び割れやすくなるため、早めに原因を切り分けることが大切です。
| 割れやすい瞬間 | 起きていること | まず確認すること |
|---|---|---|
| 針を目に入れた瞬間 | 針先が目の頭ではなく糸の撚りへ刺さっている | 針先の向きと角度、入れる深さ |
| 糸をかける瞬間 | 作業糸が針先に対して斜めに張られ、撚りが開いている | 糸のテンションと針先の向き |
| 引き抜く瞬間 | 斜めに引くことで針先が撚りの間を通る | 引き抜く方向をまっすぐにする |
原因は「手の動き」「道具」「糸」の3つに分ける
手の動き:針先の向き・深さ・引き抜く方向
かぎ針講師のみじゅりーさんは、割れる原因として、針先の向きと角度が合っていない、針を深く入れすぎている、糸のテンションが安定していないの3点を挙げています。まず疑うのはここです。道具を買い替える前に、針の動かし方だけで多くの場合は改善します。
道具:針先の形と号数
針先が尖っている針は撚りの間へ入りやすく、丸みのある針先は割れにくいとされます。また、糸に対して針が細いと針先が糸を刺すように働くため、号数を1つ上げるだけで割れにくくなることがあります。
糸:撚りの強さと素材
単糸や撚りの甘い糸は、しっかり撚られた糸より割れやすい糸です。綿などの短い繊維の糸も、繊維が長いウールに比べて割れやすいとされています。作品で指定された糸を替えられない場合は、手の動きと道具で補います。
速さ:急いで針を動かしている
速く編もうとすると、針先が本来入るべき場所からずれます。数目だけ意識してゆっくり動かすと、割れる頻度がはっきり変わることが多いです。
割れにくい針の入れ方を身につける手順
拾う場所を先に目で確認する
細編みの2段目以降なら、前段の目の頭にあるV字の2本の糸の下に針を入れます。鎖編みから拾う場合は、レシピで指定された裏山や鎖の糸を確認します。入れる場所が決まってから針を動かすと、針先が糸の撚りへ迷い込みにくくなります。
針先を下向きにして中心へ軽く入れる
針のかぎの部分を下、または編み地に沿う向きにし、編み目の中心へ軽く滑り込ませます。撚りに刺すのではなく、目の穴を通す感覚です。
深く入れすぎない
針を奥まで押し込むと、針先が隣の糸や撚りへ触れて割れやすくなります。糸をかけて引き出せる深さで止めます。
糸をかけたら、まっすぐ引き抜く
針を斜めに倒して引くと、針先が撚りの間を通ります。針を入れた方向と反対へ、まっすぐ戻すように引き抜きます。
数目だけスローモーションで編む
割れなくなったと感じるまで、ゆっくり数目編みます。糸が針先に正しく乗っているかを毎回確認し、慣れてきたら速さを戻します。
手の動きで直らないときに、道具と糸で変えられること
| 対策 | 期待できること | 注意点 |
|---|---|---|
| 針を1号大きくする | 針先が糸を刺しにくくなり、目にも余裕ができる | 編み地が大きく・ゆるくなる。作品途中なら寸法の変化を確認する |
| 針先が丸い針・別メーカーの針を試す | 針先の形が変わり、撚りの間へ入りにくくなる | 同じ号数でも針先の形はメーカーごとに異なる。相性で選ぶ |
| 撚りのしっかりした糸・3本撚り以上の糸を選ぶ | ply がまとまり、針先が間に入りにくい | 作品指定の糸を替える場合は素材・太さ・ゲージを確認する |
| 糸玉の反対側の端から編む | 撚りの向きと針の動きが合い、撚りが開きにくくなることがある | すべての糸で効くわけではない。試し編みで比べる |
| 目と目の間へ編む模様を選ぶ | 目の頭を拾わないため、割れる機会が減る | レシピに指定がある作品では変更しない |
割れた目を見つけたときの直し方
気づいた時点で手を止める
割れた目の上に次の段を重ねると、直すためにほどく範囲が広がります。表面に細い糸の輪が出ていないか、目の一部だけが引きつれていないかを確認します。
割れた目までほどく
かぎ針編みでは、割れた目を上から部分的に直す方法はありません。針から糸を外し、割れた目まで糸を引いてほどきます。
同じ場所へ正しく針を入れて編み直す
ほどいた糸を軽く整え、目の頭の中心へ針を入れて編み直します。同じ目で再び割れる場合は、その目だけ針先の向きを変えてゆっくり入れます。
目数を数え直す
ほどいて編み直した段は、目数が変わりやすい部分です。編み直した段の目数を、編み図の指定と照らして確認します。
今日からできる練習方法
糸をかけずに「入れて抜く」だけを繰り返す
編み地の目の頭へ針を入れて抜く動作だけを繰り返し、針先の向きと深さを体に覚えさせます。糸をかけない分、針先の動きに集中できます。
鎖編み1目で試す
鎖編みの目に針を入れて引き抜く動作を、割れずにできるまで1目ずつ試します。うまくいく角度が分かったら、細編みの練習へ進みます。
同じ糸と針で続ける
糸と針の組み合わせが変わるたびに感覚は変わります。最初は1種類の糸と針で練習を重ね、割れなくなってから別の糸を試します。
例:細編みの練習で毎回同じ場所が割れる
割れる瞬間を特定する
針を入れた瞬間なのか、引き抜く瞬間なのかを数目観察します。入れた瞬間なら針先の向きと深さ、引き抜く瞬間なら引く方向を疑います。
拾う場所を目で確認してから針を入れる
前段の目の頭のV字を見て、その2本の糸の下へ針先を下向きにして軽く入れます。
まっすぐ引き抜く
糸をかけたら、針を倒さずに入れた方向へまっすぐ戻します。数目続けて割れなければ、手の動きが原因だったと判断できます。
それでも割れるなら号数を1つ上げて比べる
練習用の編み地で、1号大きい針で同じ糸を編みます。割れなくなるなら針先と糸の相性が原因です。作品に戻るときはゲージへの影響を確認します。
よくある失敗と直し方
割れたまま編み進めた
次の段で再び割れやすく、目数も数えにくくなります。気づいた段階で割れた目まで戻します。
針を深く押し込んでいる
針先が隣の糸や撚りに触れます。糸をかけて引き出せる深さで止め、目の中心を通す感覚を練習します。
引き抜くときに針を斜めに倒している
針先が撚りの間を通ります。入れた方向と反対へまっすぐ引き抜きます。
糸を強く引いて目を締めている
目が締まると針が入りにくく、無理に入れると割れます。テンションをゆるめ、針の号数が合っているかも確認します。
糸の問題を手の問題と思い込んでいる
撚りの甘い糸や単糸は割れやすい糸です。別の糸で同じ動きを試し、割れなければ糸側の要因と判断します。
作品途中で号数を変えて寸法が変わった
号数を上げると編み地が大きくなります。練習用の編み地で試してから、作品で変えるかどうかを決めます。
糸が割れるときのチェックリスト
- 割れる瞬間(入れる・かける・引き抜く)のどれかを観察した
- 拾う場所を目で確認してから針を入れている
- 針先を下向きにして、編み目の中心へ軽く入れている
- 針を深く入れすぎていない
- 糸をかけたあと、斜めに倒さずまっすぐ引き抜いている
- 糸のテンションを毎目同じ張り具合にしている
- 手の動きで直らないときは、号数・針先の形・糸の撚りを比べた
- 割れた目は放置せず、その目まで戻して編み直した
まとめ:針先を目の中心へ、引き抜きはまっすぐ
毛糸が割れるのは、針先が編み目ではなく糸の撚りの間へ入っている状態です。針先の向きと角度、入れる深さ、糸のテンションの3つを整えるだけで、多くの場合は改善します。
手の動きで直らないときは、針の号数、針先の形、糸の撚りを1つずつ比べます。割れた目は放置せず、気づいた時点でその目まで戻して編み直してください。まずは細編みの練習用の編み地で、数目だけゆっくり針を入れて抜く動作から始めましょう。
よくある質問
- かぎ針編みで毛糸が割れるのはなぜですか?
- 針先が編み目の中ではなく、糸を構成する撚り糸の間へ入ってしまうためです。針先の向きと角度、針を入れる深さ、糸のテンションの3つが主な原因です。
- 割れにくい針の入れ方はありますか?
- 拾う場所を目で確認してから、針先を下向きにして編み目の頭の中心へ軽く入れます。深く押し込まず、糸をかけたら斜めに倒さずまっすぐ引き抜きます。
- 針の号数を上げると割れにくくなりますか?
- 針が糸に対して細いと針先が糸を刺すように働くため、1号上げると割れにくくなることがあります。ただし編み地が大きくゆるくなるので、作品では寸法への影響を確認してください。
- 針先が丸い針と尖った針では違いますか?
- 尖った針先は撚りの間へ入りやすく、丸みのある針先は割れにくいとされています。同じ号数でも針先の形はメーカーごとに異なるため、相性で選びます。
- 割れやすい糸はありますか?
- 単糸や撚りの甘い糸は、しっかり撚られた糸より割れやすい糸です。綿などの短い繊維の糸も割れやすいとされます。作品指定の糸を替えられない場合は、手の動きと針で補います。
- 割れた目はどう直しますか?
- かぎ針編みでは上から部分的に直せないため、割れた目まで糸をほどき、正しい場所へ針を入れて編み直します。編み直した段の目数も確認してください。
- 割れた目をそのまま編み進めても大丈夫ですか?
- 次の段で再び割れやすく、目数も数えにくくなります。練習用なら残しても構いませんが、作品では気づいた時点で直す方が結果的に早く仕上がります。
- 糸のテンションはどう安定させますか?
- 糸のかけ方と持ち方を固定し、毎目同じ張り具合になるよう意識します。強すぎると目が締まって針が入りにくくなり、弱すぎると撚りが開いて割れやすくなります。
参考にした基礎資料
- みじゅりー「【かぎ針初心者必見】④糸が割れる・引っかかる原因と今日からできる練習方法」(Yahoo!ニュース エキスパート) — 割れやすい3つの瞬間、針先の向き・深さ・テンションという原因、まっすぐ引き抜く対策、糸なし練習と鎖編み1目の練習法を確認
- Rachel Choi「5 Tips to Prevent Yarn from Splitting While You Crochet」(Crochet Spot) — 大きい針ほど割れにくいこと、ゆっくり編むこと、糸玉の反対側の端から編むこと、針のメーカーを替えること、練習で改善することを確認
- Tink and The Frog「How to Prevent & Fix Yarn Splitting」 — 単糸・撚りの甘い糸や綿が割れやすいこと、丸い針先と号数上げの対策、かぎ針編みでは割れた目までほどいて直すことを確認
- クロバー株式会社「かぎ針編みの基礎-2/基本の編み方」 — 細編みで鎖の裏山を拾うこと、2段目以降は前段の目の頭を拾うことなど、針を入れる位置の基本を確認





