かぎ針編みの表裏の見分け方|往復編み・輪編みで迷わない確認順
細編みを編めても、編み地を返した途端に「今どちらが表?」と迷うことがあります。表裏は、目の形だけで決めるものではありません。レシピが表(RS)と指定した面、これから表に見せる面、今自分に向いている面を分けて考えると、縫い合わせや飾り付けの前に判断できます。往復編み・輪編みそれぞれで確認する順番を整理しましょう。
執筆・確認: amilog編集部公開日: 最終更新:

まず答え
最初にレシピの「表側・裏側」「RS・WS」「表を手前/外側にする」という指示を探します。指定があればその面が基準です。往復編みでは編み地を返すたびに手前へ向く面が入れ替わるので、指定された段から返した回数をたどります。輪編みでは各周の終わりに返す指示があるかを確認し、返さない場合も外側が自動的に表とは決めません。指定がない作品では、完成時に見せたい面を選んで目印を付けます。細編みのV字・横棒は、同じ編み方の両面を比べる補助であり、どの作品にも通用する表裏の規則ではありません。

この記事で分かること
- 表裏の基準はレシピのRS・WS指定。見た目より先に指示を読む
- 往復編みは返すたびに手前の面が交替。輪編みは返す指示の有無を確認
- 決めた表に目印を付け、V字や横棒は補助として使う
🧶 編みながら読むなら、amilogアプリ(無料)が便利です。段数連動カウンターで「今どの段か」を見失いません。
RS・WSは何を表す? まず「見せる面」と「今見ている面」を分ける
RS(right side)は作品の表として扱う面、WS(wrong side)はその反対側です。「wrong」は編み間違いという意味ではありません。Craft Yarn Councilは衣類のRSを着用時に見える側と説明しています。表側は作品やデザインの指定によって決まるので、裏側に編み目があるから失敗ということでもありません。
確認したいのは、作品で決めた表側、現在自分に向いている面、完成後に外へ見える面の3つです。往復編みなら作業のたびに手前の面が変わります。筒状の編み地は持ち方や反り返りで内外も変わります。この3つを同じ意味だと思うと「今見えている面=必ず表」と誤判定しやすくなります。
表裏を決める3段階の確認手順
レシピの面指定を探す
冒頭、段・周の指示、仕上げ欄から「RS」「WS」「表側」「裏側」「外側」「内側」を探します。「表を手前にして縫う」「この段を表側で編む」などの指定も基準になります。編み図だけで判断せず、凡例と文章の注意書きを合わせて読みます。
今の面まで、返したかどうかをたどる
指定された面が手前だった位置を起点にします。往復編みでは編み地を1回返すと反対面が手前、もう1回返すと元の面です。輪編みでも各周で返す指示があれば同じく交替します。周をつなぐ引き抜き編みだけで、必ず面が変わるわけではありません。
表側に目印を付けて、次の工程と照合する
表と分かった面の端や最初の段に、取り外せる目印リングや別糸を付けます。飾り付け・減らし目・はぎ合わせの前に目印とレシピの「表を手前/外側」の指示が一致するか確認します。目印は作業ループや次に針を入れる目を塞がない位置に付けます。
指定が見つからない場合は、模様、配色、糸端、縫い目がどちらに見えるかを両面から比べ、完成品で見せたい面を選びます。その選択を最初に記録し、部品を複数編むなら同じ基準を使ってください。後の段や仕上げで面指定が出てきたら、好みよりレシピの指示を優先します。
往復編みの例:段の数字だけでなく「返した回数」を見る
平らな練習片で、仮にレシピが「1段目は表側を見て編む」と指定しているとします。1段目を編む間に手前を向く面がRSです。1段目の終わりで編み地を返して2段目を編むなら、2段目の作業中はWSが手前です。もう一度返して3段目を編むとRSが手前に戻ります。Yarnspirationsの編み図解説でも、各段を返す往復編みでは表側を見て編む段が交互になると説明しています。
これは「奇数段は常に表」という決まりではありません。最初に表と指定された段が別なら起点も変わり、編み始めや仕上げに通常の段と違う操作があればレシピの指示で確認します。今の段数が分からないときは、目印を付けた表側をいったん平らに置き、直近の「返す」指示から追い直しましょう。段数そのものの数え方は関連記事で確認できます。
| 例の場面 | 手前に向く面 | 確認点 |
|---|---|---|
| 1段目をRSで編む指定 | RS | この段を基準に表側へ目印を付ける |
| 1回返して2段目を編む | WS | 表の目印は反対側に移る |
| もう1回返して3段目を編む | RS | 目印が再び手前に見える |
輪編みの例:返さない輪と、各周で返す輪を分ける
輪編みのレシピが各周で編み地を返さない指定なら、往復編みのように周ごとに作業面が交替しません。ただし、初めの輪が内側へ反り返ったり、途中で筒を裏返したりすると、今外側に見える面とレシピが表とした面は一致しないことがあります。「返さない輪編み=外側は必ず表」とはせず、まず作品の面指定を見てください。
例えば細編みの小さなあみぐるみを返さずに編み、レシピがRSを外側にする指定なら、外側を一度広げ、内外を比べて指定面を外へ向けます。The Wooblesは自社の細編みあみぐるみで、編み地が丸まって裏が外へ向いた場合に内外を返す方法を示しています。ただし、その写真のV字や横棒だけで、別の模様・別のレシピの表を断定しません。
一方、輪の終わりや次の周の初めに「返す」「turn」と書かれていれば、その周は反対面を手前にして編みます。円形モチーフや輪の編み図でも、返す指定を見落とすと面が逆になります。輪を閉じる方法と返すかどうかは別の指示なので、それぞれ確認してください。
細編みのV字・横棒は「同じ編み地を比べる」補助にする
The Wooblesの細編みあみぐるみの例では、一方の面に縦方向のV字が並び、反対面には横方向の棒が目立ちます。自分の作品でも同じ編み方の両面を比べれば、いったん決めた面を再発見する手掛かりになります。目印を付け忘れたときは、目の頭のV字ではなく編み地の面全体に見える模様を見比べてください。
ただし、V字に見える面をあらゆる作品のRSと決めてはいけません。往復編み、模様編み、裏側を意匠として見せる作品、異なる針の入れ方では見え方が変わります。糸端の位置も、糸の替え方や編み始めの持ち方で変わるため、左右だけから表裏を決める目印にはできません。目の形や糸端はレシピ指定を補う材料と考えます。
よくある誤判定を切り分ける
| 迷った状態 | 早合点しやすいこと | 確かめること |
|---|---|---|
| 往復編みの次の段で表が見えない | 表裏を間違えて編んだ | 直前に返す指示があれば、WSが手前になる段か確認する |
| 輪が自然に反り返った | 外側に出た面が表 | レシピのRS指定と目印を確かめ、必要なら内外を返す |
| 細編みに横棒が見える | 必ず裏、編み直しが必要 | 同じ編み地の反対面と比べ、指定面と今の向きを確認する |
| 編み図の周が別の色になった | 次の周で必ず返す | 凡例と文章に「返す」があるかを確認する |
| 糸端がいつもと逆側にある | 必ず裏側を見ている | 糸端でなく面指定と目印を基準にする |
表裏が分からないまま飾りや部品を付けると、後から向きを直す作業が増えます。特に、表側から拾う減らし目や縫い合わせを始める直前は、作品を一度置いて目印を見直してください。表裏の判定と段数・目数の判定は別です。目数も合わないなら、まず段を数えてレシピと照合しましょう。
次へ進む前のチェックリスト
- レシピのRS・WS、表・裏、外側・内側の指定を探した
- 指定された面と、今自分に向いている面を区別した
- 往復編み、または返す輪編みなら、最後に返した位置を確認した
- 返さない輪編みでも、今外側に見える面を表と決めつけていない
- 表側の端に、外せる目印を付けた
- 飾り付け・減らし目・縫い合わせの前に、面の指定と目印を照合した
まずは細編みの平らな練習片を2段ほど編み、返す前の面へ目印を付け、返した後に目印がどちらへ移るか試してみてください。輪編みに進むなら輪の作り目の基礎ガイドで始め方を確認し、作りたい作品のレシピに戻って表裏指定を読みます。細編みの針入れが不安なら細編みガイド、あみぐるみの減らし目に進むなら関連する減らし目記事を参照してください。初めての作品選びは初心者コースから始められます。
よくある質問
- かぎ針編みのRSとWSは何の略ですか?
- RSはright sideで作品の表として扱う面、WSはwrong sideで反対面です。WSは編み間違えた面という意味ではありません。どちらがRSかはまずレシピの指定を見てください。
- 1段目が必ず表側ですか?
- 必ずではありません。レシピが1段目をRSと指定しているならその段を基準にできますが、明示がない場合は段番号だけでは断定できません。仕上げや後の段の面指定も確認してください。
- 往復編みは1段返すごとに表裏が入れ替わりますか?
- 編み地を返すと手前に向く面は反対になります。RSを見て編んだ段の次に返して編むならWSが手前です。ただし、どの段がRSかはレシピの指定から決めます。
- 輪編みなら外側が必ず表側ですか?
- いいえ。レシピが表を外にする指定ならそのように向けますが、編み地が反り返ることもあり、返して編む輪のレシピもあります。返す指示の有無と指定面を確認してください。
- 細編みのV字が見える側が表ですか?
- 細編みあみぐるみの一例では、表にV字、反対側に横棒が目立ちます。ただし全作品の規則ではありません。同じ編み地の両面を比べる補助にとどめ、レシピのRS・WS指定を優先します。
- レシピに表裏の指定がないときはどうしますか?
- 両面を見比べ、完成時に見せたい面を選んで目印を付けます。部品を複数作るなら同じ基準でそろえます。後から面の指示が出てきたら、その指定に合わせてください。
- 途中で表裏が分からなくなったら、ほどく必要がありますか?
- 面が分からなくなっただけなら、すぐほどく必要はありません。編む手を止め、レシピの面指定、最後に返した位置、付けた目印を確認します。目数や段数も違う場合は、それを別に数え直して判断してください。
- 左利きで編むと表裏の決め方は変わりますか?
- RS・WSは作品の面の指定なので、針を持つ手が違っても確認順は同じです。レシピの指定面を基準に、編み地を返した回数と目印で現在の面を確かめます。
参考にした基礎資料
- Craft Yarn Council「How to Read a Crochet Pattern」 — RS・WSの意味、往復編みのturnと輪編みの指示をレシピから読む基本。
- Yarnspirations「How to Read Crochet Diagrams」 — 返す往復編みで表側を見て編む段が交互になること、輪の編み図の色分けを面の交替と混同しない確認。
- The Woobles「How to identify the right and wrong side of crochet」 — 細編みあみぐるみの両面に見えるV字と横棒、および反り返った輪の内外を返す具体例。


